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​2024年の議会活動

議会の力を感じた3月議会

 長い3月議会が終わりました。焦点になった来年度一般会計予算は、私たち4会派の提案する修正案が賛成者31人という多数で可決されました。クリーンセンターに関して、反対の請願審議の途中であるにもかかわらず、七条地区の建設を前提とした費用が計上されていること、また宿泊税導入の検討、紹介移住制度の実施、月ケ瀬地域でのタブレット配布にかかわる事業等について、現時点で事業を行う必要性に疑問があることが明らかになりました。

 10事業にかかわる3億3000万円余りを減額するとともに、そのうちの一般財源1億円を財政調整基金に積み立て、これを学校給食の充実にあてようとするものです。

市は、給食食材にかかわる費用を6千万円増額する予算を提案していますが、物価高騰の中、現状維持のために必要なものであって、1食分の摂取カロリーを文科省の定める基準に近づけるために、さらなる充実が必要です。今回の財源を学校給食充実のために予算措置を進めていただくことを市長に申し入れる予定です。

 議会終了後の記者会見には、修正案に賛成した5会派が望みました。議会の力を感じることができた3月議会でした。

​(2024.3.26)

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予算委員会市長総括質疑(2024年3月22日)

「図書館の存続と充実を図る」との答弁引き出す!

昨年9月議会で大きな焦点となった公民館の統廃合問題。同じ社会教育施設でもある図書館についてもその存廃が心配されます。今回当初予算に図書受け取りロッカーの設置(19,819千円)があがっていることから、今後の図書館のあり方を含めて市長に質問しました。

■今回の図書受け取りロッカーについて、本を読まない人が増えているのにロッカーは必要なのかという声があるが、どう考えているか。

○子どもの教育や発達、大人にとっても正確な情報を得るということで読書の必要性・重要性は薄れていないと認識しております。また、時間的に図書館に赴くことができない方等がおられると思われますので、図書館全体の充実とあわせて、利便性のある図書受取ロッカーも必要であると考えています。

(図書館については)施設の整備や行事などの充実により更に来館者を増やしていくべきと考えているため、図書館は必要な施設であると認識しています。

■ロッカー設置と引き換えに行財政改革の一環で老朽化した図書館3館の縮小・廃止を考えているのか、お答えください。

○公共施設のあり方を検討していくなかで、他の施設との複合化・多機能化は検討していかなければなりませんが、図書館の縮小・廃止は考えておりません。

★ロッカー設置と引き換えに行財政改革の一環で老朽化した図書館を統合廃止するのではないか、という懸念がありましたが、これには明確にNOとの答弁を引き出せました。中核市平均と比較して図書館数においても市民一人当たりの面積においても低位にあり、拡充していくことこそが課題です。

■(質問の最後にあらためて)市長はこれからの奈良市の図書館のあり方をどのように考えているのかを問いました。

○図書館は、多くの市民が図書に親しみ、情報を得て生涯にわたって学べる場であり、また、住みよく子育てしやすい街づくりに活かされる文化施設であると考えます。引き続き、より多くの方々に利用していただけるよう、様々な手法を講じ、充実していきたいと考えております。

★市長として、図書館の存続と充実に向けて取り組む姿勢であるとのことを、あらためて明らかにすることができました。

​(2024.3.22)

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3月14日、15日 予算決算委員会総務分科会で2日間にわたって質疑

○「歳出予算説明調書」に記載されていない項目があり、質疑を通じてその内容や不記載の理由が明らかになりましたが、必要な情報は議会に丁寧に報告すべきだと指摘をしました。

○これまでも繰り返し取り上げてきた入札のあり方について、「総合評価方式」による入札の拡大を行なうとともに、労働面の項目も加え、働く人の処遇改善に社会的につなげ、税金をつぎ込む以上は社会貢献の側面も配慮すべきと考えている、新年度から総合評価方式を行う場合は検討するよう強く求めました。

○その他、●人事給与システムの改修について ●会計年度任用職員(非正規職員)の人員体制や関係予算について ●防犯カメラの設置について・・・・目標としていた500台が達成された。今後は地域を一番よく知る自治会への防犯カメラ設置補助にシフトすべき。 ●リファラル(推薦・紹介)移住制度の成果と移住者へのサポートについて ●防災会議の女性委員数の拡充や大容量ポータブル蓄電池の設置箇所など、現状と今後の備蓄計画についてについて 質問しました。

総括質疑では、

○当初予算には、物価高騰対策は重点項目に入っていないことから、市民生活を守るために必要な政策であると考え、物価高騰対策として、どのような施策を予定しているのか。と質したのに対し、
あらたに打ち出した施策はないものの、これまでの事業、たとえば第2子の保育料無償化や子ども医療費助成を継続することなどが示されました。しかし、昨今の物価高騰はまだまだ続くと思われ、必要とあらば、6月議会に補正予算をあげることを求めました。

○子どもセンターの人員配置について取り上げ、開設して2年がたとうとしているが、派遣研修に行った人(管理職含め23人)のうち半数(11人)しか残っていないことが明らかにされました。大変残念なことです。児童福祉司は経験が必要な職種であり、児相の基礎固めができるまでは、異動についても考慮が必要ではなかったか。

このほかの質問項目は、

●係長試験の現状について ●包括外部監査法人の契約について 取り上げました。

(2024.3.27)

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3月7日 本会議・一般質問

(1)奈良市の除草剤使用に関する基本的考え方について

ホームセンターでよく見かけるランドアップの除草剤ですが、主成分の名前は「グリホサート」といい、2015年に世界保健機構(WHO)の専門機関が「発がん性がある」と発表しました。これを機に世界各国が販売禁止や規制に動き出しました。しかし、日本では安全な除草剤としていまだに販売されています。アメリカでは、ラウンドアップを繰り返し使用してがんになった人から訴訟が頻繁に起こされ、被害者が勝訴するケースが多数出されています。また除草剤の散布された小麦を使った食品にグリホサートが残留していることもわかっています。

このような身近な除草剤グリホサートに潜む危険性について、心配する市民の方から相談もいただいています。ここで、奈良市の除草剤使用に関する基本的考え方について、以下の項目で質問をしました。

➊奈良市の公立の学校及び幼保施設、公園等でのグリホサート系除草剤の使用状況は、現在どうなっているか。

❷グリホサートの危険性についてどのように認識しているか。

❸奈良市の除草剤使用に関する基本的考え方は、今後どのような方向をめざすのか。

<質問をしての総括的意見>

○除草剤の使用について、小さい子どもがいる幼保施設では使っていないが、1年生になった途端、学校の半数で使っていることがわかった。こういったダブルスタンダードでいいのか。やはり危険な除草剤は使わない、という統一した方針を奈良市は持つべきではないか。大阪市や名古屋市など、自治体によっては、「農薬等の使用に関する基本指針」を作っているところがあります。「農薬等を使用することは原則として行わない」、「やむを得ず使用する場合は必要最小限の量だけを使用する」ことなどが書かれています。

○ただ、学校現場の現状の背景には、業務員さんの人員不足があるということをお聞きしました。このことは大変大きな課題ですし、必要な人員配置・人員増を行なうべきものです。

○いまだにホームセンター等で普通に除草剤が販売されていることから誤解を生んでいますが、(「健康意識の高まり」などという捉え方ではなく)グリホサートの危険性をまず認識すること、そのための研修の機会を作るべきですし、奈良市として統一した基本方針を作るよう要望します。そして何よりも学校等では使用はしないでほしいというのが、保護者・市民の方からの願いであることを再度強調しておきます。

○この質問をするきっかけとなった方からは、「学校で除草剤が使用されていたこと事態、非常にショックでした」という声が寄せられています。発育期にある子どもたちを預かっているという、最も基本的なことを自覚し、除草剤だけでなく、食の安全、健康管理など、子どもたちの命と健康についてもっと真剣に向き合っていただきたいと、強く要望します。

 

​(2)困難を抱える女性への支援について

 売春防止法をもとにして、「困難をかかえる女性の支援法」が2022年5月に成立し、2024年4月に施行予定です。コロナ禍でも明らかになったように、女性をとりまく問題解決には、生活困窮、性暴力、家庭崩壊、孤立など多面的複合的なアプローチが必要との認識から議員立法で作られました。自治体においても多様な支援を提供する体制が必要になっていると考えています。

➊この法律の目的・理念について、市としての説明を改めて求める。

❷女性問題相談及びDV相談の現状がどうなっているのか、相談件数の傾向と相談体制について、また課題についての認識は。

❸4月以降、市の体制として何か変更を予定しているのか。

❹女性相談支援員の身分は全国でも86%が非正規雇用であり、低賃金・不安定雇用の状態にある。その待遇改善と専門性を確保するために今後どのようなことを行うのか。

<質問をしての総括的意見>

4月から始まる「困難を抱える女性支援法」は、女性を包括的に支援することが特徴であり、ワンストップの支援を目指していくことが必要です。

○そのためには、今「女性相談」と「DV相談」に分かれて3人ずつの相談員の方が対応していることについて、相談窓口の一本化も視野に入れて検討してはどうかと考えます。相談件数の平準化が図られ、関係機関に出かけることも可能になるのではないか。そのためには相談員の方のスキルの向上が必要であることは言うまでもありません。

○もうひとつ、6人いる相談員の方はすべて会計年度任用職員の身分であり、月の就労日数によって、年収は120万円から174万円であるということです。これは一人で自立して生活できる賃金ではありません。ですから若い人には選ばれない職場であり、困難を抱える女性の相談員が自らも困難を抱えている、そんな皮肉な状況を変えていくべきではないか。国は今回の法施行にあたって、相談員が正規職員であれば補助をしないという態度です。専門性を高めても不安定な働き方に置かれる、女性労働が軽く扱われていることに問題があります。

○また、県はこの法律の施行に合わせて基本計画を作成しました。市町村は努力義務ですが、奈良市としてもぜひ計画を作っていただくよう要望します。​(2024.3.13)

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3月5日から代表質問、一般質問

今議会に提出されているのは、過去にない最大規模の予算案です。新クリーンセンター、物価高騰対策、防災の強化、少子化への取り組みなど課題が沢山あります。私は7日に質問します。公共施設の除草剤使用について、困難を抱える女性への支援についてを予定しています。なんと30人が質問にたつという、議会のエネルギーを感じます。ぜひインターネット中継をご覧になって下さい。​(2024.3.5)

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新しいごみ焼却施設の整備計画案が発表されました

煙突は建物内に入り、外からは見えないデザイン。大和郡山市の焼却場と煙突が2本並び立つことに配慮されたようには見えます。

○焼却熱を利用した発電は、周辺住民に無償提供する案が示されました。

○処理方式は現工場と同じ「ストーカ式」で、選んだ理由は経費が安くつくとのこと。しかし、ごみの最終処分全体の中での比較検討も必要ではないか。

イメージ図を見る限り、敷地内は散歩しながら水に親しんだり出来そうな「いい感じ」で描かれている。

しかし地元の皆さんの反対は強く、強行はできません。この整備計画案が出されたことで、さらに議論を深めていかなければとの思いを強めています。 (2024.2.27)

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2月6日 総務委員で質問

1. 防災における女性の課題(危機管理課)

 能登半島地震の発生から1か月が経ちました。仮設住宅への入居も始まったようですがいまだ多くの方が避難所に身を寄せています。断水の復旧作業が進んでいない、厳しい状況も続いています。

こうした状況を受け、奈良市では災害発生時の避難所開設・運営の問題と女性がおかれる課題についての対応について質問しました。

① 奈良市の場合は発災から時間経過するとともにどのように避難所の状況が(好転)推移すると考えているのか。また、テントはどれくらい確保されているのかという市民からの問い合わせも受けています。

② 指定避難所以外の様々な避難の形が予想される中で、避難者の実態把握をどうすすめるのか。そのうえで物資・食料などの配布を行うことは想定しているのか。奈良市としてはどう対応することになるのか。

③ 危機管理課として、防災における女性の課題をどのように捉えているか。

④ 避難所運営において、着替え、授乳、生理用品の受け取りなど女性のプライバシーを守る方法が確保されるのか。

⑤ 避難所での性犯罪や性暴力被害の発生を防ぐため、避難所運営にかかわって「性暴力を防止するポスター掲示」と「相談窓口の設置」が必要ではないかと考えるが市の考えは。

<質問をして>

❶ 災害が頻発する日本でなぜ避難所の環境が何十年と変わらないのか。それに対して避難所・避難生活学会の専門家の方は、災害関連死を防止するために「TKB48」(トイレ、キッチン、ベッドを48時間以内に提供できるようにする)を提唱している。避難所は我慢するところではなく、快適で十分なトイレと、温かい食事、簡易ベッドの提供が必要であり、これまでの避難所の常識を見直す取り組みに共感するものです。この中で要望を3点行ないました。

❷ 一つは、今まで想定している避難所の状況をもう一度「TKB」に沿って何ができるか検討いただきたい。テントは1500あるとお答えいただきました。ベッドに関しては、民間企業と提携を結んでいると聞いていますが、迅速な対応が可能かよくわかりません。ある程度備蓄をすることも検討が必要。熊本地震のあと益城町は段ボールベッドとパーティションを全避難所に設置できるよう購入し、その後にあった豪雨災害の避難に役立ったとのことです。

❸ 二つ目は、災害時の女性の課題について認識が広がってきましたが、内閣府のガイドブックを読んでも性暴力を防止するという言葉が見当たらない。「痴漢は犯罪です」という今では当たり前のポスターは、被害者が注意をすることではなく加害者が悪い、ということに転換した画期的なものでした。ですから、避難所における性被害や性暴力を防止するためにも、ポスターをみんなが見る場所に掲示をすること。避難所開設グッズにもそうしたポスターを入れておくことを要望しました。

❹ 三つ目はこれほど大きな災害になったときには、予算も人も限られる自治体が個々に対応するのはとても難しいことだと感じました。イタリアのように国の責任において災害対応の専門省庁があって、被災していない職員が中心となって対応に当たることが必要だろうと思います。国の機関として専門の省庁を設けるようぜひ奈良市から要望するよう求めました。

 

 2. 人事体制について(人事課)

 R5年度の職員採用試験の結果、求めた職種によっては応募者がごく少数だったり、なかったりして、結果として6人が採用できていないことが明らかになりました。一方で、定年前の退職者は各世代において多数に登っていることから、4月以降の人員体制がどうなるのか、不適当な人事配置により、貴重な人材が休職に追い込まれている事例があることから、職員の適性に配慮した配置を行なうよう求めました。また、公務員の定年年齢が65歳まで2年に1歳ずつ段階的に引き上げられ、まずは61歳になることから、定年年齢引き上げに伴う人事体制についても質しました。

 

3.若者の投票率を上げるために(選挙管理委員会事務局)

 奈良大学との連携事業で、総務委員会として「若者の投票率をあげるために」ということをテーマに取り上げました。そこで学生さんからの意見として挙がってきたものについて、どういう認識かを学生の意見を紹介して、市の姿勢・方策について質問しました。

「若者の投票率をあげる」方法として、一番多かったのは「オンライン投票」を求める声でした。オンライン投票の実施に向けて、現状とどのような課題があるのか。

<質問をして>

❶ オンライン投票は投票所に行くのが難しい高齢者・障がい者にとってだけでなく、自宅から24時間いつでも投票ができるのは朗報です。しかし、今は公職選挙法の改正がない限り難しいということです。DX化を進めるというなら、このあたりも改善をはかるべきではないかと思います。投票所に行って名前を書く、またそれを1枚ずつ数えるという非常に労力を要する方法をいまだに取り続けていること、改善の方向がはっきりしているのだから、そこに向けて進んでいくことが必要ではないかと思います。課題としては答弁にもあった、本人確認、投票の秘密確保、買収や強要、データの改ざんやハッキングが起こらないようにすることがありますが、つくば市の状況を見ていると技術的にはクリアーできるのではないかと考えています。

❷ 奈良大学連携事業では民主主義とは何かということもお話しました。社会がよりよくなっていくためには多くの人の考え方が反映されることが必要です。自分の声を届けて決定に影響を与えることができる、この民主主義の体験をする模擬選挙が大変有効だと思っています。今の時期、小学校6年生が最後の給食のメニューに何がいいか、投票で決めることが行われていることをいくつか聞きました。実際の選挙と同じ方法で給食メニューを投票する、そこには選挙管理委員会も当然かかわっています。奈良市においても、こういった形で小学校で行うことができる主権者教育の一つとして今後検討するよう求めました。

​(2024.2.6)

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議会防災訓練

阪神淡路大震災からきょうで29年。この日に合わせて初めての議会防災訓練がありました。

今回の能登半島地震に派遣された奈良市消防本部の隊長からお話をお聞きしましたが、自然災害の恐ろしさをあらためて感じたこと、道路事情が悪い場合の進入方法の検討、普段電子機器に頼っていて、使えない場合にどうするか、等々たくさんの課題がわかったとお話下さいました。

そのあと救命講習を受けましたが、イレギュラーなケースも含めてとても実践的でした。

​(2024.1.17)

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