2024年の議会活動
12月議会が終わりました

【12月10日 行財政改革及び公共施設等検討特別委員会・阪本質疑】
鼓阪小学校の地域から全く反対の二つの請願(※1、※2)が出されました。このため、「若草中学校区における学校規模適正化計画に関する請願」について、紹介議員に質問する中で、「合意形成」のプロセンスがこの問題の焦点であること、そしてやむにやまれずの請願であったことが分かりました。
※1 若草中学校区における学校規模適正化計画に関する請願
※2 佐保小学校と鼓阪小学校の統合に伴う新校舎建設工事の早期実現を求める請願
また、教育長に対して、教育委員会は「住民や保護者の声を聞きながら進めていく」して計画を進めとされているが、どの時点で鼓阪地区の方々が統廃合に合意をしたと判断したのかと、「合意形成」をめぐる過程で齟齬がなかったかを質しました。この他、通学路の安全確保についてもその取り組み内容を質しました。
(2024.12.10)

【12月5日 12月議会一般質問・阪本質疑】
不登校児童・生徒への対応と民間フリースクールへの連携と支援について質問しました。
阪本: 10月31日に文部科学省から全国の小中学校の不登校の調査が公表されました。それによると昨年度30日以上欠席した不登校の状態にある子どもは34万6482人で、前の年度と比べて4万7000人余り増加。これは11年連続で増えており、過去最多となりました。このうち、小学生が13万370人で10年前の5倍に、中学生が21万6112人で10年前の2.2倍に、それぞれ増えています。
市(鈴木副市長):今後の推移を引き続き注視していかなければならないと考えています。
【意見】不登校の児童生徒の数が過去最高であったことを私自身は衝撃をもって受け止めました。
阪本: 本市は公設のHOPを市内3か所に設置するなど、他市にはない不登校支援を行っているが、市が取り組んでいる不登校支援の全体像について伺う。
市(教育部長):公設フリースクール「HOP」に加え、アンケートから、子どもたちが学校内で安心して過ごせる居場所を求めていることも示されていることから、令和5年度から「校内フリースクール」の設置を中学校4校で開設し、令和6年10月末現在43人の生徒が在籍しており、支援の選択肢を拡充しているところです。
阪本: 民間フリースクールの位置づけについて、奈良市としてどう考えるのかについて伺う。
市(教育部長):学校以外の学びの場を求める子どもたちにとって、多様な学びの貴重な選択肢の一つであると認識している。
【意見】「相互に補完する、多様な学びの貴重な選択肢の一つ」ととらえている、これは重要なことです。
阪本: 民間フリースクールと学校や行政との連携をどのように進めていくのかについて、伺う。
市(教育部長):今後は、例えば民間フリースクール等の施設も含めた、不登校の子どもたちの学び場や居場所について、民間の事業者からのご意見もいただきながら、情報を発信していく必要があると考えます。
【意見】奈良市の場合、保護者向けの一元的な情報がない、これはすぐ実行してほしいことです。
阪本: 現状では民間フリースクールの利用には上は5万円とか高額の費用負担が必要ですし、文科省の調査では平均3万1千円となっています。義務教育は無償と言いながら大きな矛盾を感じます。
家庭の経済的格差によって子どもの選択肢が狭められないよう、負担軽減を図ることが必要ではないかと強く感じています。同時に持続可能な事業展開のためにも民間事業者への支援が必要ではないかと考えています。
市(教育部長):フリースクール等民間施設を利用している家庭や事業者への補助については、フリースクール等民間施設も、不登校児童生徒にとって多様な学びの選択肢の一つであると考えていますが、詳細については把握しきれていない部分もあります。
【意見】「民間フリースクールの捉えが明確ではない」「把握しきれていない」という答弁が何回か出ました。文科省はR元年に「不登校児童生徒への支援の在り方について」という通知の中で民間フリースクールのガイドラインについて公表していますし、それに基づいて各自治体でやっているところはすでにガイドラインを作成しています。また長野県は民間フリースクールの利用者・事業者への経済的支援を行うにあたって「信州型認証制度」を作成しています。
不登校支援の情報が一元化されていないという点、また民間フリースクールの情報がないという点で奈良市の現状は大変遅れていると言わざるを得ません。
「民間フリースクールは相互に協力・補完する立場にあり、多様な学びの貴重な選択肢の一つである」とその認識が示されました。このことは大きく評価をしますし、これを出発点にして、まずは民間事業者の状況把握をして情報提供をやっていただきたい。
今後不登校児童生徒がまだまだ増加することが予想されるなか、民間フリースクールとの連携が大変大事な方向であることを認識し、進めるよう要望しました。
(2024.12.5)
12月議会が始まりました。
11月28日開会

【12月議会 開会】
12月議会がきょうから始まりました。
毎回緊張しますが、今回は民間フリースクールについて一般質問をします(12月5日予定・お時間のある方はぜひ奈良市ホームページから議会中継にアクセスしてください)。それ以外に行革特別委員会で請願2件を審査します。佐保小学校、鼓阪小学校の統合と校舎建設にかかわる注目の案件です。今から胃痛・食欲不振。
(2024.11.28)

【12月議会議案説明会/評決システム変更】
12月議会に向けた議案の説明会があり、いよいよ次週から始まります。
その後、今議会から導入される電子評決システムの説明とお試しがありました。これまでは議案に賛成の場合は起立して意思表示をしていましたが、押しボタンで「賛成」「反対」を押すことになります。誰が賛成、反対しているか、大画面に映し出され、即座に評決の結果が表示されます。個々の議員の賛否状況が明確になり、傍聴者にも分かりやすく伝わると思います。
また、AIを利用した音声文字起こしが傍聴席にむけたモニターに表示されることになりました。聴覚障がいの方も傍聴できる画期的なシステムです。
(2024.11.21)

【11月7日 行財政改革及び公共施設等検討特別委員会・阪本質疑】
幼保再編で「公立園をいくつか残す」と、市長から従来方針を大きく変更する答弁を前回引き出したしたことを受けて、これからの見直し方針について、公立園と民間園の違いは、公立が行政機関であり公務員であるという点だけでなく、民間園は入所子ども数が経営に影響することや保育士の低賃金が課題になっていること。また比較的安定した環境にある公立の保育教育士は企画立案、指導監査、相談に携わっているが、余裕をもって研修の機会を得るためには公立園の配置基準の改善が必要であること。また地域で公立園の果たす役割、拠点としての施設の在り方について質疑を行ないました。
(2024.11.7)
【11月7日 行財政改革及び公共施設等検討特別委員会・阪本質疑の概要】
2年前に出された「奈良市幼保再編計画令和4年度修正版」によれば、いまある公立園をすべて民間移管すると書かれていましたが、前回9/25の行革特別委員会において、市長から「公営園をいくつか残す」という答弁がありました。この重要な方針変更についての今後の考え方をお聞きします。
阪本: はじめに、公立園と民間園の違いはどんなところにあるかお答えください。
市(こども政策課長): 公立園と民間園の違いについては、公立園は行政機関であり、園の職員は公務員でありますが、民間園は行政機関により認可された児童福祉施設等であり、園の職員は社会福祉法人等に雇い入れられた者となります。また、公立園は、市の諸課題の解決に向け、行政機関であることの強みを活かし、速やかに施策の実践等ができる側面があると考えています。
一方で民間園は様々なニーズに柔軟に対応しサービスや施設の充実を図っていただけると考えております。
【意見】
「公立園は行政機関である、働いている人は公務員である」と。何を今さらというような当然なことをお答えいただきましたが、これは基本的なこと、重要なことです。
そのうえで、もう2つ付け加えたいことがあります。公立と民間の決定的な違いは、保育所の運営を支える保育所運営費は公立の場合は市の予算に基づいていますが、民間の場合は、公定価格に基づく保育所運営費によって99%運営しているわけです。子どもの数の実績に基づいて計算されるので、充足率をあげたい、たくさん子どもが来てほしいと、これまでも保育時間の延長をしたり、一時保育の実施、休日保育、年末保育の実施など、公立ではやらないことを事業収入を上げるために何でも実施してきました。
もう一つは、資料(「厚生労働白書-職種別平均賃金」)を配布させていただきましたが、民間の保育士の賃金の低さです。
幼保再編計画には何度も「公私の区別なく」ということばが出てくるのですが、保育所保育指針やこども園教育要領にも基づいて保育を行うという意味では当然なのですが、公私の施設の、よって立つ実態が違うということをきちんと認識していただきたい。
阪本: 公立園の正規保育士は民間保育士に比べ比較的優位な労働環境にある。そのメリットを活かして何ができると考えるのか。
市(保育総務課長): 公立園の正規保育教育士については、福利厚生が充実しているため安定した雇用の下、民間と比べて勤続年数が長くなる傾向にあると考えられます。研修制度等が整備されているため、職員のスキル向上やキャリア形成が促進される環境となっています。
そういった点を活かし、園で経験を積んだ職員が保育に関する研修や事業計画の企画立案や監査、それ以外にもこどもの発達に関する業務や入所相談といった業務を担っています。
また、園現場においては、豊富な経験を活かし子育て相談等の対応や後進の育成に力を発揮しています。
【意見】
安定した雇用の下、民間と比べて勤続年数が長く、職員のスキル向上やキャリア形成が促進される環境となっている。それを活かして企画立案、指導監査、相談に携わっている、という答弁でした。しかいs、現実は公立の保育園・こども園の方が配置基準が悪いで。余裕ある配置基準がないと、研修の機会をもつことも、スキルアップも無理であることを申し添えておきます。
阪本: 公立をどう残すのか、検討している考え方は?
市(保育総務課長): 公立園については、これまで障がい等支援を要する子どもたちのセーフティネットの役割や、幼保施設を直接運営する中で蓄積してきた、地域の子どもの実態に基づく教育・保育のノウハウを「奈良市子ども園カリキュラム」を通じてスタンダードな教育保育を示す役割。さらに指導監査業務を含め、本市の教育・保育の質向上を牽引していくための人材育成の役割を担ってきました。今後も公立園については、基本的には同様の役割を担っていくものと考えております。
阪本:幼保再編計画自体の見直しはするのか。
市(子ども政策課長): 今後も幼保再編計画に基づき、幼児教育・保育環境の在り方について検討を重ねる中で、公立園の役割や提供体制についても検討し必要に応じて幼保再編計画の見直しを行ってまいりたいと考えています。
【まとめの意見】
幼保再編計画修正計画は、見直しの基本的な考え方に「行財政改革」の視点だけが大きく取り上げられています。奈良市の行財政改革の実行をこの幼保再編で一身に担っているのではないかと思うくらい、公立施設を減らし、職員数を減らしてきたわけです。最初から中学校区の単位でどう残すか検討すべきであったと思います。
しかし、ここにきて地域に公立園を残していくことが必要な社会情勢となっていると私は感じています。
社会全体として貧困化が進んでいるという中で、公立園はスタンダードな保育を行う、そして費用がかからないという点で今後も公立園を必要とする人が続くものと思います。
また、保護者が抱える育児不安・孤立感などに対応する必要性が高まっています。保護者の困難の相談を受けていくために、行政機関としての公立園にソーシャルワーカーを配置したりする必要があるのではないか、こういった今後の公立の役割も検討すべきと思っています。
さらに、緊急で保育が必要となったときの受け入れは、意思決定が速い民間が受け入れをされていますが、公立でもできないのかと思います。
いつも「多様な保育ニーズ」ということばをよく使いますが、英語や体育や書道やということが多様なニーズではなく、緊急受け入れ保育、一時保育、休日保育、年末保育などこそが多様なニーズであるだろうと思います。そこに保育を必要としている人がいる限り、それに公立がどうこたえていくか、ということを検討する必要があると思っています。
公立が地域の拠点としてどんな施設であるべきか、多くの英知を集めて検討していただきたい。
(2024.11.7)

【10月24日 厚生消防委員会・阪本質疑】
●救急車の緊急出動の現状と「救急車『有料化』」の懸念について
●終活支援事業について
それぞれ救急課長、福祉政策課長に質問しました。
●「救急車の『有料化』は、考えていない」との市の答弁を確認しました。
●わかりやすい「終活支援」の仕組みを作ることが必要ではと、提案しました。また、制度の仕組みをつくっていくときには、とくに資力が十分でない高齢者への支援の仕組みをつくることが必要ではないかと、その点の配慮を求めました。
(2024.10.24)
9月議会が終わりました

【9月議会 行財政改革及び公共施設等検討特別委員会(2024年9月25日)質疑概要(抜粋)】
市長総括質疑で「公立園」(幼保施設)を残すと答弁!
行財政特別委員会(2024年9月25日)では以下の2項目について質問をしました。
また、引き続いての仲川市長との総括質疑においては、「『公立園』(幼保施設)を残すという画期となる答弁を引き出しました。
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佐保小学校の新築にかかわる債務負担行為の予算増額12億円について
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三笠保育園の民間委託について
【佐保小学校の新築にかかわる債務負担行為の予算増額12億円について】
【概要】
9月議会直前に会派で一条高等学校・附属中学校とならやま小中学校を訪問しました。自分の学校の時、自分の子どもたちの学校の時には想像できなかった広い廊下と他目的ルームの設置、図書館の吹き抜け等々、時代が学校に求める内容が変わってきていることを実感しました。ですから物価高騰などにより「高額」に見えているが、教育として必要なことを盛り込んだ結果だと私はとらえています。
一方、奈良市の他の小学校中学校は建設後40年以上経過する学校も大変多く、そことの差を強く感じる。長寿命化計画も動いていない状況だが、他の学校の改修・建て替えを行っていく考えについて市(答弁:教育政策課長)を質しました。
市(教育政策課長): (佐保小学校新築にかかる)コンセプトは、これからの教育・これからの社会に対応する学校施設を整備していく際には重要な要素であると考えています。そのため、他の学校の改修・建て替えを行っていく際にも、インフラ整備も含め、同じ考えのもと、整備していきたいと考えています。
【質問をしての意見】
佐保小学校の水準をモデルにして今後も同様に整備するという答弁でしたが、早急に長寿命化計画を進め、他の学校の老朽化への対応を進めなければならない。そこについての動きが見えることが重要です。
【三笠保育園の民間委託について】
【概要】
保護者と地域の願いの中でつくられてきた三笠保育園が民間委託されようとしていることについて、市を質しました(答弁:こども政策課長)。
市は、「市立三笠保育園については、同中学校区の就学前児童数が、概ね一定数で推移していることに加え、園が奈良市の中心地付近に所在し、駅からも近く交通の便がよいこと等により、今後も引き続き保育需要が見込まれることから、移管先法人による安定的な運営が見込まれること。また、市立園の取組を引き継ぎながら、民間独自のノウハウを合わせ、より充実した保育サービスの提供が期待できることから、民間移管の方針といたしました。」と、答弁しましたが、「交通の便が良い」など、民間法人にとって「魅力的な立地」であることとともに、「民間独自のノウハウを合わせ、より充実した保育サービスの提供ができる」と、民間になれば保育サービスが充実するという言い方がされ、これでいいのかと強く思います。
【質問をしての意見】
「多様なニーズ」というのは、これは民間が特色を出すためによくおこなっていることですが、園内で英語教室や体操や茶道やという特別な学習活動を行っています。ただ、乳幼児期の保育の目的は、未来をつくりだす力子どもの基礎を培うこと、だから公立はそこに力を注いできました。
本来の多様なニーズとは多様な働き方に応じたもの、例えば休日保育や夜間保育のニーズもありますし、病児病後児保育はこういうニーズのなかで最も要望が高かったものを実現したものといえます。これらは民間ならやってくれる?というより、行政が主導してその仕組みを作っていかないといけないことではないでしょうか。
この他、民営化の際に保護者説明会で配布されていた資料には、「民間移管することにより期待される効果」として、保育時間の延長、保育備品の刷新、ICTによる防犯セキュリティの向上、看護師の配置、迅速な施設の修繕の5点が挙げられており、公立では実現が困難としていますが、公立保育園では実施できないのかを質したことについて、市の答弁は「財政負担が大きくなることから困難」といったものでした。しかし、H16年度予算から公立保育所の運営費と施設整備費は一般財源化されているだけで、国からは引き続き、予算措置は行なわれています。一般財源化というのは使途が決められた補助金としてはなくなった、色がついていないというだけで地方交付税として交付されています。財源はあるのです。
また、三笠保育園は元々保護者と地域の願いで設立されてきた保育園であり、交通の便がよくアクセスしやすい、利用が見込める、ただそれだけの理由で民間委託されようとしているが、本当にそれでいいのか。公立で充実できる方法はもっとあると思います。
2002年に同和対策特別措置法がなくなり政府レベルでは同和対策事業は終了していますが、課題があるのであれば、それは一般対策として奈良市が行政として引き続き取り組むべきことです。
市長総括での質問
(1)公立保育所を選択する権利
阪本: 公立保育所が民間移管されることについて何が問題か市長に質問します。
公立保育所を選んで保育を受けていたお子さんと保護者にとって、途中から民間に変わるというのは「契約違反」ではないのか。これは大東市の民間委託反対の裁判でも争われた点です。
1997年に児童福祉法が改正され、保育所への入所は行政処分である「措置」から、市と保護者の「利用契約」に変わりました。この保護者は公立保育所を選んで入所することについて市と契約をしていたと考えられるが、途中でそれが民間保育所に代わるのは契約違反ではないのか、ということです。
この裁判の例を出すまでもなく、公立園に期待して公立園を選んだ保護者は、たくさんおられます。理由は標準的な保育を行なってくれると言うこと、そして制服やかばんなど余計な費用がかからない、ということだと思っています。
そういうことから公立園がどんどん減少していけば、保護者の公立保育所を選択する権利が侵害されていくのではないかと考えますが、それに対する市長の見解は?
仲川市長: 従来公立であったものが民間になる際に、従来期待されていたサービス、臨んでおられたサービスが得られなくなるということのご質問です。
これまで様々な民間移管を果たして参りましたが、基本的には入園申し込みの際に、「当該園については○年をもって民間園に移行する」ということを事前にお伝えして、ご理解をいただいた上で入園していただくという形をとっております。
一方、民間独自のサービスをいろいろやり過ぎることによって、いわゆる「シンプル」な公立のサービスを求めておられる方からすれば、それがミスマッチになるというような問題については、一つの問題であると認識しております。
こうした問題については、例えば従来の公立園で利用していた制服などについては、民間園においても引き続き利用していただくとか、いろいろな部分でこれまでの公立の良さをなるべく残していただくような形で、民間園に移管していただくようなことを極力「要件」(民間への移管条件)の中に入れさせていただいているということでございます。
阪本: 民間移管する際に、民間には条件をつけるとか、公立と変わらない保育をやってもらうんだとかという説明はこれまでも何度かされているように思いますけれども、公立保育所というのは行政機関の一つでもありますし、他の部署・機関と連携しやすいというのがあります。例えば、子どもセンターであるとか保健所であるとか、子育て支援にかかわる関係機関と連携しやすいという利点をしっかり把握しておいていただきたい。
続いて公立園の役割ついてお聞きします。これまでも何度か質問してきたなかで「公立園はセーフティネットの役割を果たす必要がある」との内容の答弁を得てきました。その趣旨は、障がいを持つお子さん、支援が必要なお子さん、医療的ケア児、最近は保護者への支援が必要な場合もたくさんあります。そういった中で、公立園は「最後の役割を果たすセーフティネット」だということですが、この点について市長は確認できるでしょうか?
市長: 従来、小学校校区毎に園を配置したいということで奈良市国立円を中心とした幼児保育サービスを提供してきたという経緯がございます。一方で、最近は民間の園が大変増えてきているという中で、親御さん、子どもさん当事者からすれば、公立園であっても民間園であっても得られる支援については格差があってはならないと基本的には思っております。
一方、公立園をいくつか今後も引き続き残していくという考えも合わせて持っております。これは阪本委員ご指摘の「セーフティネット」という観点ももちろんですが、市がこれからサービスを提供していくにあたって、自ら「現場」を持っていないということが、企画立案していく、指導監査等をしていく際にも、十分な知見がないという状態になってしまいます。そういった意味で、いくつか公立園を引き続き市が直接、「現場」を持ち続けるということが重要だと考えています。
(2)公立園の役割
阪本: もう一点、今、「現場を持たないことには」という答弁があったのですが、公立園の役割を政策の面からも考えたい。
今年8月から始まった「こども誰でも通園制度」は公立の高円こども園で試行がされていますが、公立園がなかったら試行できなかったと思います。民間園はどこも人手はぎりぎり、そこへ新しい「子ども誰でも通園制度」をやる余裕はないわけです。公立園がなかったら試行することもできなかったのです。
もうひとつ、ごみ減量化という奈良市の大きな方針を進めるため、給食残渣を市内の学校園から回収して木材チップと混ぜて、たい肥化を図っていますが、これも公立園なればこそ、この取り組みができています。
このように公立園の役割はセイフティネットの役割に加えて、奈良市が進めようとする政策を実践することができる施設です。公立園をどんどん民間委託化することによって、市の政策方針が及ばない場所を作り出していくということになるということについての考えをお聞かせください。
市長: 公立園から民間移管する際には募集要項において移管の条件として、市が実施をしている施策に対する協力をいただくということを「諸条件」という形で定め、民間移管後も引き続き市がすすめる様々な施策について、ゴリ歌詞・協力をいただけるよう配慮しています。
とくに「誰でも通園制度」、「ごみ減量」については、直近の募集要項には「諸条件」という形で明記をさせていただいております。今後、それ以外の項目についても民間移管の際に、公募の要件の中に盛り込むということを通して、連携をしていただくように仕組みを整えていきたいと考えております。
阪本: 公的保育の後退につながる民間委託はこれ以上すすめるべきではありませんし、公立園の役割をきちんと評価して、「基幹的な保育所」として残してほしいと思います。
「残していく」という市長答弁もいただきましたので、質問は以上です。
【質問をしての意見】
市長から初めて「公立園をいくつか残す」という画期的な答弁がありました。
(2024.9.25)

【9月議会 予算決算委員会厚生消防分科会 質疑概要(抜粋)】
1.保険証廃止、マイナ保険証の利用について(国民年金課、福祉医療課)
現行の保険証が12月2日に廃止になる国の方針に関連して、9月議会に国民健康保険と後期高齢者医療保険について第76号と第90号の2つ議案があがっています。
新聞報道によるとマイナ保険証の利用率は7月時点で11.13%にとどまると報じられています。地震や台風による停電時には紙の保険証も持ってくるように、という対策も報じられたくらいで、メリットをなかなか認識できません。唯一メリットとしてあげられている医療情報についても、投薬の状況は直近1ヶ月分は反映されず、これではお薬手帳の方が役に立つ状況です。
高齢者施設ではマイナンバーカードと暗証番号を預かることはできないとしており、知人の母親は軽度の認知症で暗証番号を管理できないからとマイナンバーカード自体をつくらなかったそうです。マイナンバーカードの作成は奈良市においても76.6%(保有枚数率)と高い保有率を誇っていますが、受診時に毎回カードリーダーで資格確認をしなくてはならないため、高齢者や重度の障害を持つ方のマイナ保険証はハードルが高いと考えます。
このまま紙の保険証を廃止しマイナ保険証にしていくことに様々課題があると考えますが、マイナ保険証についての奈良市の現状を質しました。
阪本:マイナ保険証を持たない人にはどういった対応になるのか。
市:現行の紙の保険証が切れる2025年7月31日の翌日、8月1日からは一定の窓口負担で「資格確認書」が使えます。
阪本:「資格確認書」が届けられるとのことだが、それはいつまで使えるのか、有効期限は?
市:従来の保険証と同じく、1年更新で8月1日から翌年7月31日まで。「資格確認書」は5年以内となっており、2029年以降については今のところ不明。
阪本:被保険者の内マイナ保険証に利用登録している人の率は?
(国民健康保険と後期高齢者医療保険)、保険証としての利用率はどれくらいか。
市:マイナ保険証に利用登録している人は58.98%、利用率は15.40%。
市(福祉医療課長):後期高齢者については、それぞれ57.74%、10.74%となっています。
阪本:マイナ保険証を持っていても使いたくないという人はどうすればいいのか。
市:10月末以降、「解除申請」で解除できるとされているが、具体的手続きは未定となっています。
阪本:マイナンバーカードの有効期限のあと、更新をしなければマイナ保険証はどうなるのか。
市:電子証明書の有効期限は5年とされているので、市の窓口で更新手続きを行なうことになります。
阪本:全国地方紙18紙の合同アンケート(8月、1万2千人)によると紙の保険証を残してほしいという声が8割だったそうです。また紙の保険証が使えなくなると勘違いしている人が1割、また資格確認書の存在を3割の人が知らなかったそうです。今後どのような周知をしていくのか。
市:「市民だより」7月号に掲載し、今後11月号にも掲載予定で、市ホームページ上にも掲載し、周知を図っていきます。
この他、以下の項目についても質問しました。
2.母子父子寡婦福祉資金特別会計について(子ども育成課)
【質問をしての意見】
ひとり親世帯の生活を支える貸付金制度であるが、滞納繰越分の収納率が13%と大変低く、生活状況に配慮しつつ、債権の回収方法について例えば弁護士法人に委託をするなど、方法を考えられたらいかがかと思います。
3.子育て広場遊び場ワークスペースについて(こども育成課)
【質問をしての意見】
R5年の8月にはすでにこの場所で、ということで進めようとしていたようですが、当初予算に提案に至らなかったとのことでした。今後、さらに他の地域での開設については、ニーズ調査から高いニーズがあることが分かっており、ぜひ検討されるべきだと考えます。
★この子育て広場遊び場ワークスペースにかかる補正予算については、質疑で明らかになったように、本来なら当初予算で予算策定されるべき事業であったことから、減額修正の対象となりました。
4.産後ケア事業について(母子保健課)
【質問をしての意見】
産後ケア事業について利用者が増えている現状をお聞きしました。
奈良市の場合は近畿圏で比較してもダントツで利用料が安く、利用に関してハードルが低くなっています。これから利用者の増加が見込まれるということですので、受け入れ施設の拡充、周知に努めていただきたいと思います。
5.特定妊婦について(母子保健課)
【質問をしての意見】
特定妊婦とは何か、ということで説明をいただきました。
妊娠出産に関わる様々な不安に対して、医療機関・要対協などを通じて行政のネットワークに引っかかる人はある意味幸運ですが、そうではない孤立した妊婦に対しての相談窓口があるということをしっかり周知していただきたいと思います。
6.市立保育施設の施設維持補修について(保育総務課)
【質問をしての意見】
幼保再編ですべての公立園の民間委託を打ち出していますので、積極的に修理をしていないのではないかと危惧しておりました。公立園で残っている保育園とこども園は老朽化が進んでいる園が多く、雨漏りや水回りの修理が一番多いようです。お答えいただいた内容はすべて業者がやった修理であって、軽微な補修は全部職員がやっている、日々どこかへ毎日補修に行っているとお聞きをしました。これも大変なことだと思います。副市長はこんな状況をご存知ですか。前々から言っていますが、保育室の床のささくれをガムテープを貼って補修しているのはとても残念です。公立園がこんな状況でいいのかと思います。幼保再編の中で公立園を拠点で残す方向で再検討を行ってほしいこと、きちんとした園舎にしてほしいことを要望します。
7.認知症に対する取り組み(福祉政策課)
【質問をしての意見】
サポーター養成講座など認知症を知る意識啓発を何回も開催されています。また新しい取り組みとして「認知症カフェ」もあるということが分かりました。そのうえで、身近な家族にそういうことが起こった場合に、どこで診断を受けられるかという医療情報や、在宅では無理だとなったときどういう施設があるのか、実践的な情報が必要とされています。地域包括支援センターへ行けば対応してくれるのは分かっていますが、市のHPから比較的簡単に検索できる方法を今後検討するよう要望しました。
(2024.9.19)

【9月議会 一般質問 質疑概要(抜粋)】
▇公共サービスを担う労働者の処遇改善をすすめるべき
奈良市は長年にわたって「行財政改革」を進め、その重点項目として、職員数の削減、外郭団体の「自立」、そして民営化が進められてきました。
一方、コロナ禍の折には市民生活の基盤を支える現場労働者は、エッセンシャルワーカーとして注目され、市民からも感謝される場面もあり、大変な状況ではありましたが、現場の職員も大いに励まされたと聞いています。
世の中が「平常」に戻ってきた現在、公共サービスを担う人たちを取り巻く労働環境がどうなっているのか、公共サービスの質を確保する観点から見ていく必要があると考え、質問しました。
阪本:清美公社、外郭3団体(社協、総合財団、生涯学習財団)の定年は未だに60歳。市の責任は?
市(環境部長・総務部長):①清美公社については再雇用制度により、希望する限りは65歳まで継続雇用がされています。
②現在は外郭3団体共に再雇用制度により、希望する限り65歳まで継続雇用がされています。
【意 見】
賃金など処遇が大幅にダウンする再雇用制度でよしと言わんばかりの答弁には失望です。
阪本:外郭3団体(社協、総合財団、生涯学習財団)への指定管理料(委託料)は何年も据え置かれたまま。現場は疲弊するばかりだ。
市(総務部長):財政面も含め市としてどのようにかかわっていくべきかなどについて、団体と連携・調整しながら検討してまいりたい。
【意 見】
今更「どうかかわっていくか検討する」とは、全く無責任ではないか。
阪本:これまで民間委託や指定管理者制度によって、公共サービスの担い手が必ずしも安定した労働条件で働いているとは言えず、官製ワーキングプアを生み出している。
市(副市長):外郭団体が果たす役割は大変大きいと考えています。
様々な委託業務を多く担う外郭団体につきましては、外郭団体に期待する役割や将来の方向性、市の関与の在り方について定めた、外郭団体の在り方の指針を策定するため、団体と所管課が調整を行っているところであり、指針の策定と合わせて経営計画の策定も進めることで、各外郭団体の将来の雇用や人員体制等についても検討してまいりたいと考えております。
【意 見】
公社や外郭3団体が担う公共サービスが将来にわたって持続可能な事業となるためには、安定的に事業が継続できる体制を確保することが必要です。2023年度決算において37億円の大幅な黒字を出した奈良市にとって、公共サービスに係る労働者の労働条件を改善することはできないはずはありません。公共サービスを担う労働者が安心して働けることが、市民にとっての住みやすさにつながるということを市は理解すべきです。効率やコストを優先して劣化してきた雇用に対して、良質な雇用を作りだすことが公共サービスにとって何よりも必要であることに、市は責任があります。
(2024.9.13)

【9月6日 9月議会開会】
9月議会が今日から始まりました。
決算審査が大きな柱です。お金がない奈良市が、20億円を財政調整基金に積み立てし、17億円の黒字決算となりました。その背景などいろいろ質して行くことになります。
一般質問の準備と平行して、厚生消防分科会、行財政改革特別委員会の質問を検討中です。
マイナ保険証、産後ケア事業、認知症について等々課題はいっぱいです。
(2024.9.6)

【8月14日 厚生消防委員会・阪本質疑】
●小規模保育所への支援強化を
■阪本:待機児童解消の受け皿として整備されてきた、小規模保育所の現状は
○市(保育所幼稚園課長):本市におきましては、これまで待機児童が多い0歳から2歳児を対象にした小規模保育事業所を平成28年度に3カ所、令和2年度に2か所、令和3年度に2か所を整備し、現在7カ所を設置しているところです。なお令和6年度月現在園児数は113人、保育士数は61人でございます。
■阪本:1986年(S61)から行なってきている、奈良市独自の民間保育園への職員給与加算の現状は。
○市:なお令和6年度より、奈良県の取組として常勤保育士のみを対象とした、給与加算の2分の1、上限1万円の「奈良県保育士等処遇改善事業補助金」が創設されたことにより、市の独自加算も20,000円に増額しました。
■阪本:奈良県はR6年度予算において、民間保育施設の保育士の給与加算に取り組む市町村に対し、保育士1人あたり月額1万円を上限に補助する制度の創設を行った。その要綱には幼稚園と小規模保育所も対象とすることが書かれています。
奈良市において、R6年度予算編成時には小規模保育所の保育士を対象にしていなかったが、県の制度が始まったことから、小規模保育所の方からも奈良市に対して対象に含めるよう要望書が出されている。9月議会において補正予算をあげて対応していく必要があるとうが、どうするのか。副市長に答弁を求める。
○副市長:次年度予算については改善できるようにしたいが、今年についてはできていません。
■阪本:なぜ今年度ではできないのか
○副市長:本市の予算編成と県の新たな補助金制度のタイミングが合わなかったことによるものです。
■阪本:小規模保育所への補助金の必要性については充分認識していると答弁しながら、しかも、長年市独自でもやっている制度であるにもかかわらず、なぜ今年度にできないのか。必要額はおそらく1000万円程度のことだ。しかも、県から返ってくるものだ。小規模保育所は待機児童解消に寄与してきた。なぜ市は小規模保育所を除外するのか、公平性に欠ける。今年度から実施できるよう再検討することを強く申し入れる。
●こども誰でも通園制度について
■阪本:利用方法や申し込み状況について
○市(保育総務課長):今回の試行実施につきましては、8月から高円こども園で通園を開始します。毎月11日から月末までのうち週3日、月に平均8日程度とし、利用時間は10時から15時といたします。申し込み方法については1日の申込単位は5時間とし、1人につき2日まで申し込むことができます。利用する前月の10日から25日までに専用フォームより申し込みいただき、申し込み多数の場合については抽選を実施します。なお8月の利用につきましては、延べ90人の申し込みがありました。
■阪本:実施園を高円こども園に選定した理由について
○市:試行実施園については、令和6年4月時点の待機児童数(待機児童がいない)や、事業を実施するための保育室を別に用意できることや送迎のための駐車場の確保、公共交通機関を利用できるアクセス面を考慮し決定しました。
■阪本:一時預かり事業との違いは何か
○市:国によりますと、一時預かり事業は、保護者のために「預かる」という考え方を基本とする事業である一方、こども誰でも通園制度は、こどもを中心に、こどもの成長の観点から「全てのこどもの育ちを応援し、こどもの良質な生育環境を整備する」ことを目的とし、こどもの成長のために「通う」という考え方を基本としています。
■阪本:子どもが初めて親と離れるときのハードルが高いが、どのように配慮されるか。
【意 見】
●鳴り物入りで始まろうとしているが年齢が異なる子どもを一度に預かることになり、通常保育より難しい保育を保育士は求められ、困難なものになると考えられる。
●こども誰通では月10時間までと利用が制限されており毎月2回登園で保育園になじむことができるのかはなはだ疑問である。在籍している子は毎日登園するからこそ最初は泣いていてもそのうち保育園の生活に溶け込めるのであり、慣れない場所でお弁当にせよ給食にせよ昼食が食べられるのか、お昼寝ができるのか、とてもむつかしいのではないかと感じている。
●親が保育園に通園するハードルを下げる方法として、お弁当を作る手間は大変だし、園の給食を食べることを検討してほしい。また今後一日5時間ではなく、2時間とかの短時間も選べるようにすることも検討していただきたい。
●保育士不足による待機児童が別の園では発生しており、入りたくても入れない子がいることこそ優先して解決すべきである、という意見もあります。本当にその通りだ。
ただ、始まった以上は、この「こども誰通」をいい制度にしていくことも必要。「こども誰通」への保護者の期待は大変大きい。その期待を裏切らないでほしい。奈良市の保育が試されることだと思う。
●児童扶養手当について
■阪本:児童扶養手当の受給対象は、「父母が婚姻を解消した児童」を監護する場合となっている。離婚に関して調停、裁判等で離婚協議に、中には非常に長期間を要する場合がある。これにより既に別居状態にあり、実質ひとり親と変わらない場合、児童扶養手当の受給対象となるのか。
○市(こども育成課長):「離婚に関して調停、裁判等で離婚協議に、非常に長期間を要する場合であって、実質ひとり親と変わらない場合」については、「遺棄」に該当するかどうかの判断になります。「遺棄」については、父又は母が監護義務をまったく放棄しており、監護意思及び監護事実が客観的に認められない状態が1年以上続く場合に該当しますが、個々の状況や事実関係を総合的に判断する必要があります。
■阪本:1年以上離婚協議中で配偶者と別居している状況に変化のない人が、児童扶養手当の申請が可能な人である。その人たちに今回、「遺棄」の大変大きな見直しが行われ、児童扶養手当の申請が可能になっていることを個々に周知する必要があると思うが、どう対応するのか。
○市:国の見直しを受け、ホームページにアップするとともに、個別にも周知するようにします。
■阪本:8月は児童扶養手当の現況届の提出時期であるが、この時期に大変いやな思いをしたと聞くことがあった。養育費、妊娠・事実婚について一律に確認する等、プライバシーを侵害するようなことになっていないか。
○市:児童扶養手当の現況届については、適正受給を確保するため、必要な書類や聞き取りを行い支給要件の確認を実施しております。提出書類についても、個々の事案により受給資格者の事情が異なることから、形式要件により機械的に判断するのではなく、プライバシーに関わる事項についての確認は、一律に行うのではなく、受給資格者の状況に応じて対応しております。
ただし、事実婚にあたる状況になった場合は、その時点で資格喪失となり遡って手当金の返還が発生することについて、新規申請時に説明することに加え、現況届提出の結果通知の際に最新のパンフレットを同封することで周知を図っております。
【意 見】
●R4年3月に厚労省から「遺棄」に関する認定基準の見直し通知があった。
父または母から1年以上遺棄されている児童に該当すれば児童扶養手当を申請することができるが、その「遺棄」について離婚協議中であっても現実の扶養を期待できない場合や、別居を始めて以降、父の監護意思が認められない場合などのケースは遺棄に該当するという見直しを行った。
●奈良市HPを確認すると、今の時点ではまだUPされていなかった。児童扶養手当の受給要件ところに、「遺棄」の見直しが行われ受給できる可能性がある、といった内容を記載すべきではないか。(府中市、調布市、三鷹市、明石市等には載せている。)
●児童扶養手当の支給対象になれば、ひとり親の関連施策であるひとり親医療やひとり親の就労支援を利用できるようになる。少数とはいえ、離婚協議中の実質ひとり親の不利益に目をむけ、負担軽減につなげてほしい。
●子育てに関するニーズ調査について
■阪本:5年に1度の調査だが、5年前の調査と比べて特徴的な点は何か。
○市(こども政策課長):「子育てに関するニーズ調査」は、子育てをめぐる状況や希望を把握するため、令和5年12月に市内在住の0歳から小学生までの子どもを持つ保護者を対象に実施したものです。
本調査で判明した本市の特徴といたしましては、これまで奈良市は女性の就業率が低いと言われておりましたが、「母親の就労の有無」について平成30年度調査と比較すると、小学生は2.0ポイント、3~5歳は6.1ポイント、0から2歳は10.2ポイント上昇しており、子どもの世代が若くなるにつれて、出生後も母親が就労を継続する傾向が強くなっております。経年で全国における就業率とも比較すると、全国と本市における乖離が縮まってきていることがわかります。
次に、「男性の育児休業の取得率」をみると、「母親の就労の有無」と同様に子どもの世代が若くなるにつれて上昇しており、0~2歳の父親の育児休業取得率は、前回調査から14.3ポイントアップの20.5ポイントとなりました。要因といたしましては、本市が計画的に保育の受け皿整備を進めてきたことや、勤務先においてワーク・ライフ・バランスの推進及び男性の育児取得の重要性の認知が高まってきたのではないかと考えております。
また、「子育てしやすいまち」「子どもにやさしいまち」と感じる条件について尋ねたところ、前回調査と同様に「経済的支援が充実している」「子どもにとって安全な環境がある」「子どもが安心して過ごすことが出来る居場所や遊び場がある」「教育・保育に関する環境が充実している」の回答率が高いということがわかりました。
このことから、子育て支援を更に推進していくためには、これらニーズ調査の結果を参考にしながら、支援策に取組んでいく必要があると考えています。
【意 見】
●毎回、奈良市は子どもの遊べる公園が少ないというのが出てきています。何人もの方から直接要望を聞いてもいる。
●県営の大渕池公園や大和郡山市の九条公園など、大型遊具のある公園を奈良市にもつくるべきだ。少しずつキッズパークの設置などが進んでいますが、是非、増設をお願いしたい。
(2024.1414)

【8月8日 行財政改革及び公共施設等検討特別委員会・阪本質疑】
■阪本:声館の今後のあり方について
(1)事業見直しにあたって音声館の課題は
○市(文化振興課長):①施設における事業効果と運営コストのバランス、②少子化等、社会の変化により従来通りの事業に対するニーズが減少している、③将来的な施設・設備の維持コストの増加がある。市政モニターに対するアンケート調査では、施設自体の認知度が低いことも明らかになった。
■阪本: (2) 今後の音声館の事業展開をどのように考えているか
○市:今後、施設の設置目的の見直しも含めて検討を行ない、これまで音声館を利用したことのない方にも、興味・関心を持っていただけるような、新たな取り組みを進め、市民文化の振興と市の魅力発信につながるような事業展開を通じ、施設の課いただける題の解決を図っていきたいと考えている。
■阪本:現在の指定管理期間は来年3月までとなっている。次年度以降の指定管理者選定について、スケジュールはどのように考えているのか。
○市:できるだけ早く選定できるようにすすめていきたいと考えている。
■阪本:非常にタイトな日程で音声館の事業見直しと指定管理に向けた準備が行なわれている。見直しをすすめる文化振興課の職員体制として問題はないのか。
○市:職員相互に協力を行ないながら、外部の委員の方などにも援助をもらい、課の仕事を効率的に行なうなどして対応していく。
■阪本:担当課として少ない人員体制で取り組みを進めている働き方について、部長、副市長においても職員の働き方について充分把握しておいてほしい。
六条幼稚園と京西保育園の幼保再編について
■阪本:六条幼稚園の移転建設場所として、六条2丁目での用地確保が2002年(H14)に行なわれ、造成工事も行なわれた。それから20年以上何の動きもなく、ようやく2023年度(R5)年度より動き出している。用地の取得費用は、当時、いくらだったのか?
○市(保育総務課長):3887㎡、平成14年当時の坪単価は約26万円、造成工事をあわせて総額、4億3百51万5千393円。起債の借入額は3億9千380万円。
■阪本:造成工事もしたこの土地を活用して、すぐに幼稚園建設にすすまなかったのは何故か。
○市:園児の安全を最優先した通学路確保や、園児の減少、市の財政事情により建設にいたらなかったと認識している。
■阪本:当時の検討が不十分であったのではないかと感じている。幼保再編計画が2010年(H24)から動き出し、いろいろ議論されてきた。2015年当時は京西保育園を増築・改修し、六条幼稚園を閉鎖園化。2016年には、両方の園舎を使う分園方式によるこども園化が検討された。この間、保護者のみなさんは、市の方針に翻弄され、大変不安な時期を過ごした。2010年(H27)、11年(H28)の議論の時は、以前取得した用地の活用の話が一切出てこなかった。理由は何か。
○市(こども政策課長):園児の安全確保ができる通園路の確保が難しかったため。しかし、2022年度(R4)より、隣接する生産緑地の所有者から買い取りの申し入れがなされたことから、当該地への進入路を新たに確保できる見込みとなったため、当該地の活用できる可能性が出てきたため検討を始めた。
■阪本:進入路の用地の確保の広さ、予算額は。
○市:土地所有者と交渉中であるため未確定だが、購入のための予算は2023年度(R5)に1億5千550万円を予算化。
■阪本:今後のスケジュールと予定されている定員規模は。
○市:適切な時期に公表していきたい。定員についても今後決定していく。
■阪本:未だに定員が未確定であるというのは残念。今後も関連する予算提案が議会になされるだろうが、園の規模などははっきり示されるべきだ。
統合されるこども園については、2011年(H28)7月29日の「六条幼稚園の今後」という文書が保護者に配布された。そこには、「市立幼稚園と市立保育園が統合される場合は、市立こども園に移行します」と書かれている。これまでの保護者への説明経過からも、市立だと考えるがどうか。
○市:再編においては民間活力を最大限に活用しながら、民間移管をすすめることにしている。このため、六条幼稚園・京西保育園のこども園化についても民間移管ですすめる。
■阪本:2016年(H28)文書以降に、幼保見直しは全部民間移管で進めるとなったので、2016年文書は有効ではないという説明だ。
この土地は4億円で購入し、さらに1億5千万千で進入路を確保することになっている。これだけ多額の市民の税金を投入した土地を簡単に、ハイどうぞと民間に明け渡していいのか。税金の使い方としてこれでいいのか大変疑問に思う。
○市:民間移管する場合は、公立園の教育・保育内容を引継ぐことや看護師の配置等による更なる質の強化を求めているとともに、保護者の負担が生じるようなサービスの提供を原則として行なわないことなどを市と移管先法人とで協定書を締結している。園舎の無償譲渡、土地の無償貸与を行なうことで、移管先法人の経営面の負担軽減を行なっている。
■阪本:しかし、今回の場合は既存の園舎でも既存の園舎が建っていた土地でもない。5億5千万円もかけた、市民の税金をかけた新たな土地だ。それなら、公立で園舎を建て、公立で運営していくのが筋ではないか。
公立園が大変少なくなっている状況があるが、公立園がセーフティネットになっていくような、拠点化を図る施策が必要だ。幼保施設は水道や道路と同じように社会に必要な公有財産だ。こどもが生まれる限り必要な施設だ。公立の役割をハッキリさせて、残していくべきだと考えている。
この点、今後についてどう考えるのか副市長。
○鈴木副市長:医療的ケア児を含む特別な支援の必要なこどもも、本来、拠点ということではなく、希望した園において教育・保育できる体制を整えることが重要だと考えている。民間園でも特別な支援を必要としている園児を積極的に受け入れ、公私区別なく、こどもの利益を第一に考えてまいりたい。
■阪本:人件費負担をしなくてもいいというコスト論だけで民間移管をすすめているのではという印象を強く持っている。副市長は公立園はセーフティネットの役割を果たしてきたと、過去形で答弁した。そこをすべて民間にお願いするのか。大変低賃金の中で、保育士不足の中で運営をしているという中で、全部民間にお任せしますと簡単に言いすぎではないか。保育ニーズの多様化というが、一方での格差社会の進行の中では、公立園への期待・役割はなくならない。見直しの幼保再編計画をあらためて見直すべきだ。
(2024.8.8)
【8月8日 行財政改革及び公共施設等検討特別委員会】
昨年9月議会で大きな焦点となった公民館の統廃合問題。その発端が、奈良市が飛鳥地区での「幼保再編」に伴い、空き地となった民間保育園跡地を借地料(1200万円/年)を払い借り受け、地域ふれあい会館の建設を計画し、あわせて飛鳥公民館を廃止しようとしたことでした。
これに対し、地元から反対の請願があがり、行財政改革及び公共施設等検討特別委員会で議論がされて来ましたが、市長の出席を求めて、一連の経緯をただす場面となりました。
この問題は、2つの施設だけではなく飛鳥地域での幼保再編とつながっていたことがわかっています。
公立飛鳥幼稚園は民間土地に借地料を払っていたがこどもが少なくなり廃園、隣接の民間保育園に受け入れをお願いしてこども園化することに。こども園は飛鳥幼稚園用地に園舎を拡大移転して借地料を払う。替わりに元の民間保育園用地に市はふれあい会館を建設して、民間法人に借地料を払う。
この複雑なスキームは誰が意図したことか、誰が指示したことか。市長は「一体的解決を計ろうとした」、「自分が指示したことだ」と答弁しました。
飛鳥公民館の廃止、地域ふれあい会館の建設は白紙撤回されたのでこのスキームはなくなりました。これによって民間こども園は毎月100万円の市からの借地料収入がなくなりました。これが、今の結果現状です。
しかし、一連の計画の全体像が地元のみなさん、市関係部局、そして議会、つまりは市民に示されることがなく、「市長の判断」ですすめられた、これが一番の問題です。
(2024.8.9)
6月議会が終わりました
【6月17日 補正予算等特別委員会】
6月議会のすべての議案に対する特別委員会が開催されました。委員は11人で7番目に発言。
物価高騰が影響して、当初予算で足りなくなる事業に予算を増額するのは、フードバンクお米宅配事業や高齢者のコロナワクチン接種がそれに当たります。また、学校給食の必要な栄養価を満たすための食材調達費1億円が上がっています。これは3月議会のあと、5会派で市長に要望した内容でした。
条例に関しては、DV被害者の市営住宅利用について、児童扶養手当について、会計年度任用職員について等を取り上げました。
(2024.6.17)
【補正予算特別委員会 質疑概要(抜粋)】
(1)防災備蓄について
阪本:女性専用の「生理用ショーツ」や「おりものシート」が上がっていることの 経緯は?
市(危機管理課):昨年10月29日に行われた奈良市総合防災訓練の反省・総括の中で、必要な備蓄物資等に今回要求した女性向けの物資があげられていました。
阪本:災害用トイレの処理セットは各地域の防災倉庫にどのように配分するのか?
市(危機管理課):マスク、消毒液、マウスウォッシュは各避難所の開設キットに格納するほか、生理用吸水ショーツやおりものシートは、数が多くないため、まとめて集中備蓄倉庫で保管することを想定。簡易トイレ処理セットについては、既に41万回分を分散備蓄倉庫や集中備蓄倉庫に配備しており、集中備蓄倉庫に保管することとします。
(2)フードバンクお米宅配事業について
阪本:米の市中取引価格において、およそ1.45倍の価格に高騰していることからの補正であることが明らかにされ、また、利用者からは、本当に助かっていると評価の高いこの事業をぜひ長く続けていただきたいと思います。
(3)高齢者(65歳以上)のコロナワクチン接種について
阪本:今回値上がりした単価はいくらか?
市(健康増進課):厚生労働省よりワクチン単価増額の説明があり、当初積算していた接種単価7,000円から1件あたり8,300円上乗せされた15,300円となりました。なお、上乗せされた8,300円は国から全額を助成される予定。
阪本:今年度から高齢者の新型コロナワクチン接種はインフルエンザと同様の定期接種となり有料になる。接種の見通しはどのように考えているか。
市(健康増進課):接種費用については、国や市では助成制度も検討していますが、自己負担が必要となります。対象者の方がワクチンの有効性と副反応のリスクの双方について理解した上で、接種をいただけるように努めてまいります。
(2024.6.17)
■市営住宅の可能性
「奈良市営住宅条例の一部改正について」提案され、委員会で質疑を行ないました。
改正の趣旨は、国の「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」の創設及び関連法の改正を受けての市条例のDV被害者に関する入居者資格を一部改正するものです。
深刻なDV被害の実態や格差拡大の進行などにより、これまでとは違うあらたな公共住宅の役割が拡大しています。
市営住宅の積極的な改修や、地域の環境整備により、高まっている新たな需要に応える取り組みが求められています。
(2024.6.17)

【6月議会一般質問】
■東部地域の魅力向上のために、木津川市とどう連携するのか
赤田川の水質悪化によって、長年木津川市民の方が困っており、木津川市議会では再三取り上げられてきましたが、このことについて質問をしました。
4月に情報公開請求をしてから、ようやく今日の質問に至りました。傍聴に来ていただいた皆さん、ありがとうございます。
奈良時代に平城京から恭仁京(加茂)に遷都したことなど、歴史的に見ても大変つながりの深い木津川市です。もっと連携を深めていく必要があります。
(2024.6.12)
【一般質問概要(抜粋)】
阪本:赤田川の水質について奈良市の現状認識は?
市(保健医療部長):①平成15年に当時の加茂町から本市に対して、赤田川の水質悪化に関する連絡があったことに端を発し、本市は赤田川の水質監視を継続して実施しています。
現在は年4回3地点で測定。②平成28年から29年頃にかけては、下流で有機物等により水質が最も悪化した状態となったが、同地点における現在の水質は改善傾向にあるものと認識しています。
阪本:発端からかれこれ20年近く、早急な解決が必要だと思いますが、奈良市として今後どう取り組むのか。
市(保健医療部長):赤田川に放流する事業場排水が水質汚濁防止法に基づく排水基準に適合しているかどうか継続的に確認するとともに、本市独自に実施している年4回の赤田川水質調査を引き続き実行し、関係する行政機関と連携することで、赤田川の水質監視に努めて参ります。
★意見 水も空気も道も、府県境で断ち切られるわけではなく、つながっています。また歴史的につながりの深い地域です。奈良市東部の魅力を高め、人を呼び込むには、木津川市と十分に協力しあって自然環境を守っていくこと、ともに環境の改善・整備を進めることが重要です。木津川市との包括連携協定を生かして、もっと木津川市と協力して取り組んでほしい。
(2024.6.12)

6月5日から6月議会が開会しました。
議題が多くて午前中に終わらず、12時半までかかったのは、あまりないことです。
①クリーンセンターに関する請願は、候補地七条での建設反対2つ、現地の左京から早急の移転を求める1つ、合計3つの請願が出されていましたが賛成多数すべてで可決されました。
市民環境委員会委員長からの長い長い経過報告と、採決に先立つ6人もの討論をききながら、本当に真剣に議会は取り組んでいるなと思いました。現工場の老朽化は待ったなし、だからこそ早く建てないと、というのは共通認識ですが、
七条の住民の皆さんの意見が置き去りにされてきた、その思いは重く受け止めなければならないと思います。そういう意味で請願には賛成しました。
市長はこれから、もっと地元の皆さんに対して説明が必要だと思います。
②報告案件に対して質疑をしました。
○国民保護計画の変更
○生涯学習財団の経営状況
○総合財団の経営状況
報告は何もなければ「承りおく」で過ぎていくのですが、素通りできない3点があったので質問しました。
(2024.6.5)



総務委員会質疑※概略(2024年5月20日)
1.能登半島地震から奈良市の防災の状況について何を教訓とするか(危機管理課)
奈良市において能登半島地震から何を教訓とするかについて、具体的事例を取り上げ質問しました。
問1 復旧・復興状況の現状から
奈良市として復旧・復興が遅れている原因をどのように考えるか。
(市)解体に必要な所有者の同意を得られないことや、業者不足が、速やかな復旧作業の支障となっているかと思われます。
問2 水道の被害状況について
奈良市で最も被害が大きいと想定されている奈良盆地東縁断層帯での地震を想定したとき、水道の被害想定と水をどのように確保するのか。
(市) 奈良盆地東縁断層帯地震(市内最大震度7を想定)では、送・配水管の推定被害箇所数は1,023箇所となり、第2次奈良県地震被害想定調査報告書では、給水区域の99.5%が断水するとされ、被害が最も大きくなります。
次に、飲料水の確保に関しましては、本市では断水時の備えとして、市内の浄水場と配水池を「応急給水拠点」とし、災害時の飲料水を確保しています。震災時には緑ヶ丘・木津の両浄水場と、市内各所にある配水池に約78,710m3の飲料水が確保され、最初の3日間は一人一日3リットル、それ以降20リットルで計算し、本市の人口に換算すると約14日分となります。
一方で、大規模災害が発生したときには、道路事情等も考慮すれば、飲料水をお配りするのに時間を要することも想定されることから、市民の皆さまにも非常用飲料水の備蓄など災害時の備えをいただくよう啓発しています。
問3 トイレの備蓄について
先月防災の講演を聞く機会があり、大規模災害発生後のトイレの問題というのは、あらためて非常に大きな課題であると考えさせられました。本市のトイレ確保の考え方と備蓄の状況は。
(市)災害発生時に各避難所施設のトイレが使用できなくなった場合を想定し、テント付き簡易トイレを1,480基、車椅子対応のテント付き簡易トイレを150基、汚物の処理セット約41万回分を備蓄しております。
汚物の処理セットについては、一人の一日あたりの平均排泄回数である5回を基に、想定最大避難者数51,000人の2日分として51万回分の備蓄を目標としており、今後も調達を進めてまいります。
問4 市民へのトイレ確保の周知について
2016年の熊本地震の際のトイレについて、NPO法人が行ったアンケートによると、77%のトイレは使用できず、6時間以内に9割の人がトイレに行きたくなったそうです。それから考えると6時間以内に仮設トイレを用意する必要があります。市備蓄のほか、「仮設(簡易)トイレ」を家庭で備蓄することの必要性に関しての市民への周知は。
(市)ホームページ、SNS、しみんだより、庁舎での防災展示、防災講話や防災訓練等で年間を通じて実施しており、今後も積極的な広報に努めてまいります。
★災害時のトイレのことは何とかなると思っていましたが、東日本大震災の時の避難所のトイレの写真を見てこれは大変なことだと思いました。震度7の地震では確実に断水し、6時間以内にトイレに行きたくなるわけですから、非常用トイレの備蓄は重要であるということをもっと広報していただきたい。
問5 避難所の環境整備という観点での教訓事項について
能登半島地震の被災地の避難所では、地震発生から一か月が経っても間仕切テントなどが設置されず雑魚寝の状態が続いていたという報道記事を見ましたが、今回の被災地の状況から、奈良市の指定避難所の生活環境の整備について、今回の災害から教訓とすべきことはどのようなことがあるか。
(市)生活環境に資する物資としては、令和2年度にテント型間仕切りや敷マットを1,500個ずつ購入しているほか、テント付き簡易トイレ1,480基や毛布等を備蓄しております。また、奈良市内外の様々な企業・団体と、避難所必要物資の供給に関する協定を締結しています。
避難所環境に関する今回の災害からの教訓についてですが、大規模災害が発生した当初には、避難所の生活環境を良好に保つための資材が十分に行き届かず、不自由な避難所生活を余儀なくされた避難者が大勢おられました。このため、本市としては、前述の資機材等を用いて、早期に避難所生活の安定を図るべく、現在の計画や体制が国や県、協定締結団体などの支援をスムーズかつ充分に受けられるものとなっているかを確認するとともに、これらの機関や避難所運営に関わる団体と平時から連携を図ることにより、災害関連死の防止や避難所の秩序維持に取組んでまいります。
★「早期に避難所生活の安定をはかる」という答弁がありましたがそのことに期待する。内容としては非常用トイレを迅速に設置する、雑魚寝を早期に解消する、などがあると思いますが、我慢の生活ではなくできるだけ人間らしい生活が送れているか、避難生活で疲労やストレスを感じないよう、そういう「質の向上」が今の時代に求められていることだと思います。
また、大規模な災害対応は一自治体だけでは困難であるということもあらためて明らかになった。
2.職員の採用と定員適正化計画について
これまで「定員適正化」という名の定員削減計画が進められてきてほぼ達成されています。
今後は、(削減ではなく)行政課題に適切に対応するため正規職員数の見直しが必要ではないかと考えます。例えば児童相談所については、会計年度任用職員が半数程度も占めるという体制では専門性が確保できていない状況があるのではないか。また、保健所の役割がコロナ禍で再認識されています。さらに、保育士の4・5歳児の配置基準が30対1から25対1に76年ぶりに改善されました。こういった行政需要へ対応していくことが必要ではないかと考えますし、低位適正化計画の見直しをすべきと思いますが、どうか。
(市)限られた行政経営資源を有効に活用し、効率的で効果的な行政運営を行うため、その1つの柱として定員適正化計画を定め、取り組みを進めてきたところです。現状、計画の見直しの予定はございませんが、今後、現計画の策定当初に想定していなかった新たな行政需要への対応等が必要となった場合、実態を反映した計画値の見直しを行いたいと考えております。
★実態を反映した計画値の見直しを行いたいと考えております。という答弁でしたが、必要な所に必要な人員を、ということだと思います。見直しイコール増員と受け止めました。
定員適正化計画の中にも書かれていますが、行財政改革のために、職員を「コスト」ととらえて削減し、それが当たり前だと考えてきた新自由主義的な考えを改めるべきだと思います。職員は「コスト」でなく、公共サービスを支える財産です。
3.会計年度任用職員(非正規職員)について
今年度の会計年度任用職員数は市職員全体の42.8%を占めていることが分かりました。
正規職員との給与における待遇の格差について、何が課題として残っているのか。
(市)円滑に行政運営を行うためにも多様な能力を持つ会計年度任用職員の果たす役割は年々大きくなってきており、その業務の責任や困難度に応じた処遇の見直しは必要であり、市としてこれまでも課題意識を持ち、順次改善を行ってきております。経験加算につきましては、現在保育教育士等の一部の職種に限って実施しておりますが、他の職種での実施についても検討しているところです。
★「経験加算」いわゆる昇給ですが、それを行っているのは現状では保育士等だけであるが、他の職種にも広げていくことを検討するという前向きな答弁がありました。ぜひ実現してほしいと思います。
★2022年10月に中核市61市の調査を行い、それをもとに11月の総務委員会と12月議会に一般質問をしました。その時に課題に挙げたことは、昇給、地域手当、退職手当ですが、奈良市の場合すべて支給されておらず、比較した中核市の中でも処遇の悪さが際立っていました。
昨年度からようやく退職手当が支給されるようになりましたが、残りの昇給、地域手当についてまだ課題としてあることを指摘しました。
そして、もうひとつ追加するならば、この間人勧の引上げ、最低賃金の引上げが続いていて、今年もそれが予想されます。1級1号という給料の位置づけが「最賃といつも競争する」低い位置づけであり、このことも大きな問題だとも指摘をしました。
会計年度任用職員の制度の枠組みを考えるときの基本となる考え方は「同一労働同一賃金」「均等待遇」です。それを忘れないでください。国が示したのがいくら1級1号であったとしてもその通りにしていない自治体がたくさんあります。会計年度任用職員の処遇引改善は自治体で決められる、そのことを肝に銘じておいてください。
4.人材育成ビジョンについて
職員の皆さんが働くうえで、何が課題と考えているか。何がモチベーションになっているか。その把握が出発点ではないか。
(市)職員アンケートの結果によりますと、上司への満足度や仕事内容への満足度が非常に高く、各所属単位での働きがいをモチベーションとして職務にあたっている職員が多い様子が見られます。一方で、人事施策への満足度が非常に低く、次に今後の目標やビジョンについての満足度が低い結果となっています。
人事考課については、市全体としての目標の達成と、職場でのコミュニケーションおよび人材育成の機会として、非常に重要な施策と位置付けて実施してまいりましたが、導入から10年が経過し、社会の状況も大きく変わっていることから、職員に求められる能力について、考課シートを人材育成ビジョンの策定と並行して見直しを行いました。
★人事考課に関しては10年やってきてどうなのかその検証が必要だと思います。導入当初から「ひとが人を評価すること」の難しさが指摘されてきました。いくら評価者が研修を受けても客観的に評価するのは難しいのではないか。
研修に関しては、オンデマンド型の研修があるということですが、時間内に外へ出かける研修などは職場が送り出せる環境にあることが必要です。
5.本庁舎ZEB(Net Zero Energy Building/ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化改修のための流用について(財政課)
本庁舎のZEB化について、設計委託のために約1億6千万円もの流用を行っている。この流用は妥当なものなのか。補正予算での対応はできなかったのか。
流用された金額はどこから持ってきたのか。
(市)この事業は環境省の交付金(地域脱炭素移行・再エネ推進交付金(重点対策加速化事業))を活用して実施する予定であり、既に配分を受けていた令和5年度分の国費を活用するためには3月末までに契約をする必要がありました。入札に要する期間を考慮すると3月定例会で補正予算を措置しても間に合わなかったため流用での対応を行ったもので、施策の方向性や執行方法、また金額が大きく変更されたような場合には、議会へご説明させていただくことが適切であることから、本件については、2月上旬に環境政策課からご説明させていただいたものです。
環境政策課の自転車駐車場整備事業から1,700万円のほか、地域づくり推進課の二名地域ふれあい会館整備事業から5,485万8千円、月ヶ瀬行政センター地域振興課の月ヶ瀬体育館の屋根改修等から4,406万3千円などを、各事業の入札差金等を活用し、執行しています。
★予算流用のルールは地方自治法に書いているとおり、目、節については予算の流用が認められている。今回の場合は金額が大きいことから、以前に議会で指摘もあったように2月9日付で議会への説明が行われたことです。補正予算では間に合わない、いうなれば急迫の事態として取られた措置であるとの説明でした。ただやはり目、節の流用が環境政策課の事業から大きく超えていることについては驚くばかりです。
議会の力を感じた3月議会
長い3月議会が終わりました。焦点になった来年度一般会計予算は、私たち4会派の提案する修正案が賛成者31人という多数で可決されました。クリーンセンターに関して、反対の請願審議の途中であるにもかかわらず、七条地区の建設を前提とした費用が計上されていること、また宿泊税導入の検討、紹介移住制度の実施、月ケ瀬地域でのタブレット配布にかかわる事業等について、現時点で事業を行う必要性に疑問があることが明らかになりました。
10事業にかかわる3億3000万円余りを減額するとともに、そのうちの一般財源1億円を財政調整基金に積み立て、これを学校給食の充実にあてようとするものです。
市は、給食食材にかかわる費用を6千万円増額する予算を提案していますが、物価高騰の中、現状維持のために必要なものであって、1食分の摂取カロリーを文科省の定める基準に近づけるために、さらなる充実が必要です。今回の財源を学校給食充実のために予算措置を進めていただくことを市長に申し入れる予定です。
議会終了後の記者会見には、修正案に賛成した5会派が望みました。議会の力を感じることができた3月議会でした。
(2024.3.26)

予算委員会市長総括質疑(2024年3月22日)
「図書館の存続と充実を図る」との答弁引き出す!
昨年9月議会で大きな焦点となった公民館の統廃合問題。同じ社会教育施設でもある図書館についてもその存廃が心配されます。今回当初予算に図書受け取りロッカーの設置(19,819千円)があがっていることから、今後の図書館のあり方を含めて市長に質問しました。
■今回の図書受け取りロッカーについて、本を読まない人が増えているのにロッカーは必要なのかという声があるが、どう考えているか。
○子どもの教育や発達、大人にとっても正確な情報を得るということで読書の必要性・重要性は薄れていないと認識しております。また、時間的に図書館に赴くことができない方等がおられると思われますので、図書館全体の充実とあわせて、利便性のある図書受取ロッカーも必要であると考えています。
(図書館については)施設の整備や行事などの充実により更に来館者を増やしていくべきと考えているため、図書館は必要な施設であると認識しています。
■ロッカー設置と引き換えに行財政改革の一環で老朽化した図書館3館の縮小・廃止を考えているのか、お答えください。
○公共施設のあり方を検討していくなかで、他の施設との複合化・多機能化は検討していかなければなりませんが、図書館の縮小・廃止は考えておりません。
★ロッカー設置と引き換えに行財政改革の一環で老朽化した図書館を統合廃止するのではないか、という懸念がありましたが、これには明確にNOとの答弁を引き出せました。中核市平均と比較して図書館数においても市民一人当たりの面積においても低位にあり、拡充していくことこそが課題です。
■(質問の最後にあらためて)市長はこれからの奈良市の図書館のあり方をどのように考えているのかを問いました。
○図書館は、多くの市民が図書に親しみ、情報を得て生涯にわたって学べる場であり、また、住みよく子育てしやすい街づくりに活かされる文化施設であると考えます。引き続き、より多くの方々に利用していただけるよう、様々な手法を講じ、充実していきたいと考えております。
★市長として、図書館の存続と充実に向けて取り組む姿勢であるとのことを、あらためて明らかにすることができました。
(2024.3.22)

3月14日、15日 予算決算委員会総務分科会で2日間にわたって質疑
○「歳出予算説明調書」に記載されていない項目があり、質疑を通じてその内容や不記載の理由が明らかになりましたが、必要な情報は議会に丁寧に報告すべきだと指摘をしました。
○これまでも繰り返し取り上げてきた入札のあり方について、「総合評価方式」による入札の拡大を行なうとともに、労働面の項目も加え、働く人の処遇改善に社会的につなげ、税金をつぎ込む以上は社会貢献の側面も配慮すべきと考えている、新年度から総合評価方式を行う場合は検討するよう強く求めました。
○その他、●人事給与システムの改修について ●会計年度任用職員(非正規職員)の人員体制や関係予算について ●防犯カメラの設置について・・・・目標としていた500台が達成された。今後は地域を一番よく知る自治会への防犯カメラ設置補助にシフトすべき。 ●リファラル(推薦・紹介)移住制度の成果と移住者へのサポートについて ●防災会議の女性委員数の拡充や大容量ポータブル蓄電池の設置箇所など、現状と今後の備蓄計画についてについて 質問しました。
総括質疑では、
○当初予算には、物価高騰対策は重点項目に入っていないことから、市民生活を守るために必要な政策であると考え、物価高騰対策として、どのような施策を予定しているのか。と質したのに対し、
あらたに打ち出した施策はないものの、これまでの事業、たとえば第2子の保育料無償化や子ども医療費助成を継続することなどが示されました。しかし、昨今の物価高騰はまだまだ続くと思われ、必要とあらば、6月議会に補正予算をあげることを求めました。
○子どもセンターの人員配置について取り上げ、開設して2年がたとうとしているが、派遣研修に行った人(管理職含め23人)のうち半数(11人)しか残っていないことが明らかにされました。大変残念なことです。児童福祉司は経験が必要な職種であり、児相の基礎固めができるまでは、異動についても考慮が必要ではなかったか。
このほかの質問項目は、
●係長試験の現状について ●包括外部監査法人の契約について 取り上げました。
(2024.3.27)


3月7日 本会議・一般質問
(1)奈良市の除草剤使用に関する基本的考え方について
ホームセンターでよく見かけるランドアップの除草剤ですが、主成分の名前は「グリホサート」といい、2015年に世界保健機構(WHO)の専門機関が「発がん性がある」と発表しました。これを機に世界各国が販売禁止や規制に動き出しました。しかし、日本では安全な除草剤としていまだに販売されています。アメリカでは、ラウンドアップを繰り返し使用してがんになった人から訴訟が頻繁に起こされ、被害者が勝訴するケースが多数出されています。また除草剤の散布された小麦を使った食品にグリホサートが残留していることもわかっています。
このような身近な除草剤グリホサートに潜む危険性について、心配する市民の方から相談もいただいています。ここで、奈良市の除草剤使用に関する基本的考え方について、以下の項目で質問をしました。
➊奈良市の公立の学校及び幼保施設、公園等でのグリホサート系除草剤の使用状況は、現在どうなっているか。
❷グリホサートの危険性についてどのように認識しているか。
❸奈良市の除草剤使用に関する基本的考え方は、今後どのような方向をめざすのか。
<質問をしての総括的意見>
○除草剤の使用について、小さい子どもがいる幼保施設では使っていないが、1年生になった途端、学校の半数で使っていることがわかった。こういったダブルスタンダードでいいのか。やはり危険な除草剤は使わない、という統一した方針を奈良市は持つべきではないか。大阪市や名古屋市など、自治体によっては、「農薬等の使用に関する基本指針」を作っているところがあります。「農薬等を使用することは原則として行わない」、「やむを得ず使用する場合は必要最小限の量だけを使用する」ことなどが書かれています。
○ただ、学校現場の現状の背景には、業務員さんの人員不足があるということをお聞きしました。このことは大変大きな課題ですし、必要な人員配置・人員増を行なうべきものです。
○いまだにホームセンター等で普通に除草剤が販売されていることから誤解を生んでいますが、(「健康意識の高まり」などという捉え方ではなく)グリホサートの危険性をまず認識すること、そのための研修の機会を作るべきですし、奈良市として統一した基本方針を作るよう要望します。そして何よりも学校等では使用はしないでほしいというのが、保護者・市民の方からの願いであることを再度強調しておきます。
○この質問をするきっかけとなった方からは、「学校で除草剤が使用されていたこと事態、非常にショックでした」という声が寄せられています。発育期にある子どもたちを預かっているという、最も基本的なことを自覚し、除草剤だけでなく、食の安全、健康管理など、子どもたちの命と健康についてもっと真剣に向き合っていただきたいと、強く要望します。
(2)困難を抱える女性への支援について
売春防止法をもとにして、「困難をかかえる女性の支援法」が2022年5月に成立し、2024年4月に施行予定です。コロナ禍でも明らかになったように、女性をとりまく問題解決には、生活困窮、性暴力、家庭崩壊、孤立など多面的複合的なアプローチが必要との認識から議員立法で作られました。自治体においても多様な支援を提供する体制が必要になっていると考えています。
➊この法律の目的・理念について、市としての説明を改めて求める。
❷女性問題相談及びDV相談の現状がどうなっているのか、相談件数の傾向と相談体制について、また課題についての認識は。
❸4月以降、市の体制として何か変更を予定しているのか。
❹女性相談支援員の身分は全国でも86%が非正規雇用であり、低賃金・不安定雇用の状態にある。その待遇改善と専門性を確保するために今後どのようなことを行うのか。
<質問をしての総括的意見>
○4月から始まる「困難を抱える女性支援法」は、女性を包括的に支援することが特徴であり、ワンストップの支援を目指していくことが必要です。
○そのためには、今「女性相談」と「DV相談」に分かれて3人ずつの相談員の方が対応していることについて、相談窓口の一本化も視野に入れて検討してはどうかと考えます。相談件数の平準化が図られ、関係機関に出かけることも可能になるのではないか。そのためには相談員の方のスキルの向上が必要であることは言うまでもありません。
○もうひとつ、6人いる相談員の方はすべて会計年度任用職員の身分であり、月の就労日数によって、年収は120万円から174万円であるということです。これは一人で自立して生活できる賃金ではありません。ですから若い人には選ばれない職場であり、困難を抱える女性の相談員が自らも困難を抱えている、そんな皮肉な状況を変えていくべきではないか。国は今回の法施行にあたって、相談員が正規職員であれば補助をしないという態度です。専門性を高めても不安定な働き方に置かれる、女性労働が軽く扱われていることに問題があります。
○また、県はこの法律の施行に合わせて基本計画を作成しました。市町村は努力義務ですが、奈良市としてもぜひ計画を作っていただくよう要望します。(2024.3.13)

3月5日から代表質問、一般質問
今議会に提出されているのは、過去にない最大規模の予算案です。新クリーンセンター、物価高騰対策、防災の強化、少子化への取り組みなど課題が沢山あります。私は7日に質問します。公共施設の除草剤使用について、困難を抱える女性への支援についてを予定しています。なんと30人が質問にたつという、議会のエネルギーを感じます。ぜひインターネット中継をご覧になって下さい。(2024.3.5)

新しいごみ焼却施設の整備計画案が発表されました
煙突は建物内に入り、外からは見えないデザイン。大和郡山市の焼却場と煙突が2本並び立つことに配慮されたようには見えます。
○焼却熱を利用した発電は、周辺住民に無償提供する案が示されました。
○処理方式は現工場と同じ「ストーカ式」で、選んだ理由は経費が安くつくとのこと。しかし、ごみの最終処分全体の中での比較検討も必要ではないか。
イメージ図を見る限り、敷地内は散歩しながら水に親しんだり出来そうな「いい感じ」で描かれている。
しかし地元の皆さんの反対は強く、強行はできません。この整備計画案が出されたことで、さらに議論を深めていかなければとの思いを強めています。 (2024.2.27)

2月6日 総務委員で質問
1. 防災における女性の課題(危機管理課)
能登半島地震の発生から1か月が経ちました。仮設住宅への入居も始まったようですがいまだ多くの方が避難所に身を寄せています。断水の復旧作業が進んでいない、厳しい状況も続いています。
こうした状況を受け、奈良市では災害発生時の避難所開設・運営の問題と女性がおかれる課題についての対応について質問しました。
① 奈良市の場合は発災から時間経過するとともにどのように避難所の状況が(好転)推移すると考えているのか。また、テントはどれくらい確保されているのかという市民からの問い合わせも受けています。
② 指定避難所以外の様々な避難の形が予想される中で、避難者の実態把握をどうすすめるのか。そのうえで物資・食料などの配布を行うことは想定しているのか。奈良市としてはどう対応することになるのか。
③ 危機管理課として、防災における女性の課題をどのように捉えているか。
④ 避難所運営において、着替え、授乳、生理用品の受け取りなど女性のプライバシーを守る方法が確保されるのか。
⑤ 避難所での性犯罪や性暴力被害の発生を防ぐため、避難所運営にかかわって「性暴力を防止するポスター掲示」と「相談窓口の設置」が必要ではないかと考えるが市の考えは。
<質問をして>
❶ 災害が頻発する日本でなぜ避難所の環境が何十年と変わらないのか。それに対して避難所・避難生活学会の専門家の方は、災害関連死を防止するために「TKB48」(トイレ、キッチン、ベッドを48時間以内に提供できるようにする)を提唱している。避難所は我慢するところではなく、快適で十分なトイレと、温かい食事、簡易ベッドの提供が必要であり、これまでの避難所の常識を見直す取り組みに共感するものです。この中で要望を3点行ないました。
❷ 一つは、今まで想定している避難所の状況をもう一度「TKB」に沿って何ができるか検討いただきたい。テントは1500あるとお答えいただきました。ベッドに関しては、民間企業と提携を結んでいると聞いていますが、迅速な対応が可能かよくわかりません。ある程度備蓄をすることも検討が必要。熊本地震のあと益城町は段ボールベッドとパーティションを全避難所に設置できるよう購入し、その後にあった豪雨災害の避難に役立ったとのことです。
❸ 二つ目は、災害時の女性の課題について認識が広がってきましたが、内閣府のガイドブックを読んでも性暴力を防止するという言葉が見当たらない。「痴漢は犯罪です」という今では当たり前のポスターは、被害者が注意をすることではなく加害者が悪い、ということに転換した画期的なものでした。ですから、避難所における性被害や性暴力を防止するためにも、ポスターをみんなが見る場所に掲示をすること。避難所開設グッズにもそうしたポスターを入れておくことを要望しました。
❹ 三つ目はこれほど大きな災害になったときには、予算も人も限られる自治体が個々に対応するのはとても難しいことだと感じました。イタリアのように国の責任において災害対応の専門省庁があって、被災していない職員が中心となって対応に当たることが必要だろうと思います。国の機関として専門の省庁を設けるようぜひ奈良市から要望するよう求めました。
2. 人事体制について(人事課)
R5年度の職員採用試験の結果、求めた職種によっては応募者がごく少数だったり、なかったりして、結果として6人が採用できていないことが明らかになりました。一方で、定年前の退職者は各世代において多数に登っていることから、4月以降の人員体制がどうなるのか、不適当な人事配置により、貴重な人材が休職に追い込まれている事例があることから、職員の適性に配慮した配置を行なうよう求めました。また、公務員の定年年齢が65歳まで2年に1歳ずつ段階的に引き上げられ、まずは61歳になることから、定年年齢引き上げに伴う人事体制についても質しました。
3.若者の投票率を上げるために(選挙管理委員会事務局)
奈良大学との連携事業で、総務委員会として「若者の投票率をあげるために」ということをテーマに取り上げました。そこで学生さんからの意見として挙がってきたものについて、どういう認識かを学生の意見を紹介して、市の姿勢・方策について質問しました。
「若者の投票率をあげる」方法として、一番多かったのは「オンライン投票」を求める声でした。オンライン投票の実施に向けて、現状とどのような課題があるのか。
<質問をして>
❶ オンライン投票は投票所に行くのが難しい高齢者・障がい者にとってだけでなく、自宅から24時間いつでも投票ができるのは朗報です。しかし、今は公職選挙法の改正がない限り難しいということです。DX化を進めるというなら、このあたりも改善をはかるべきではないかと思います。投票所に行って名前を書く、またそれを1枚ずつ数えるという非常に労力を要する方法をいまだに取り続けていること、改善の方向がはっきりしているのだから、そこに向けて進んでいくことが必要ではないかと思います。課題としては答弁にもあった、本人確認、投票の秘密確保、買収や強要、データの改ざんやハッキングが起こらないようにすることがありますが、つくば市の状況を見ていると技術的にはクリアーできるのではないかと考えています。
❷ 奈良大学連携事業では民主主義とは何かということもお話しました。社会がよりよくなっていくためには多くの人の考え方が反映されることが必要です。自分の声を届けて決定に影響を与えることができる、この民主主義の体験をする模擬選挙が大変有効だと思っています。今の時期、小学校6年生が最後の給食のメニューに何がいいか、投票で決めることが行われていることをいくつか聞きました。実際の選挙と同じ方法で給食メニューを投票する、そこには選挙管理委員会も当然かかわっています。奈良市においても、こういった形で小学校で行うことができる主権者教育の一つとして今後検討するよう求めました。
(2024.2.6)


議会防災訓練
阪神淡路大震災からきょうで29年。この日に合わせて初めての議会防災訓練がありました。
今回の能登半島地震に派遣された奈良市消防本部の隊長からお話をお聞きしましたが、自然災害の恐ろしさをあらためて感じたこと、道路事情が悪い場合の進入方法の検討、普段電子機器に頼っていて、使えない場合にどうするか、等々たくさんの課題がわかったとお話下さいました。
そのあと救命講習を受けましたが、イレギュラーなケースも含めてとても実践的でした。
(2024.1.17)